キケンな四兄弟

「いっくよー」

「は、はいぃっ!」
慌てて荷台にしがみつく。

カラカラと車輪が音を立てて、頬に風があたる。
優人さん、飛ばすなぁ…。

「舞香ちゃん、落ちる? 大丈夫?」

「はい、余裕ですっ」
チラリとこちらを振り向いた優人さんに、あたしは答えた。

それより、さっきから視線を感じるなぁ…。
それも攻撃的な痛い視線。
…思ったらあたし、学校で一、二を争うモテモテ君と登校してる!?
例えるなら…王子の馬車に乗った小汚い犬!?
や、やばいかも…。
辺りを見回すと、女子達の視線がチクチクと刺さる。

か、勘違いされちゃ困るよっ!!

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