キケンな四兄弟
実は、忘れ物があるっていうのはウソ。
明日は…優人さんの誕生日!
だから、内緒で料理つくって、ビックリさせちゃおう。
そう思い立ったのはついさっきで、気が付けばもう食材売り場へ向かっている。
「えぇと…優人さんの好物は…」
一人でブツブツ言いながら、食品売り場をグルグル回る。
よし、ビーフシチューにしよ!
優人さんビーフシチュー好きだし…なんだかんだでいつもお世話になってるから、奮発していいお肉買っちゃおう!
ちゃんと食材も決まって、ウキウキしながらレジを済ます。
優人さん、喜んでくれるかな。
あたし料理下手だけど…頑張ろっ!
意気込んだのもつかの間、店を出て数分のことだった。
「お…っ、重いっ」
大量の食材が入ったレジ袋は予想外に重くて、腕がちぎれそう。