キケンな四兄弟
あーもー…地球の重力なんて無ければいいのにっ!
優人さん達が持ち切れなくて置いていったレジ袋の分の重さも加算されて、今のあたしの状態は、パンパンのレジ袋を両手に二つづつ。
うぅ…家までのガマン!!
そう決心して、足を一歩一歩前へ踏み出す。
「ねえ君、荷物重いなら手伝おっかぁ??」
ふいに背後から声を掛けられる。
振り向くと、そこには見知らぬ男の人が立っていた。
隣町の高校の制服を着ている。
多分そこの生徒かな?
それにしても…この人、知り合いだっけ?
「いえ…そんな、見ず知らずの方に迷惑なんてかけられませんよっ」
あたしがそう言ったのにも関わらず、男の人はニッコリと笑った。
…けれど、あたしはなぜかその笑顔を嬉しく思えなかった。
「遠慮しなくていいよ♪ とりあえず荷物、そこの公園に置こっか」
「いや、いいですよそんな…」
「いいから、いいからっ♪」
そう言って男はあたしの腕を引っ張っていく。
え、えぇっ…!?