キケンな四兄弟

ガタンッ
「…痛ってェ~…な、何すんだよっ!?」
隼人はイスから落ちたままあたしを睨んで言った。
クラスメートの視線がこちらに集まり、笑いが広がる。
「べっつに?」
あたしは皮肉っぽく隼人に言い返す。
「「べっつに」じゃねーよ! 痛てーんだよっ!」
隼人は立ち上がり、服をパタパタはたきながら言う。
「お~いソコ! 何があったんだ?」
担任はたいして興味がなさそうな様子でこちらを振り返る。
「せんせぇー、広瀬君が居眠りしてイスから落下しましたーあ」
あたしはすごくムカつく顔で担任に言う。
「そうかー、気をつけろよ広瀬ー」
担任は軽くそう流し、もう一度黒板に向き直って文字を書く。

「くそ…」
「…フン」
隼人とあたしも、元の位置に戻って、授業を再開する。

♪キーンコーンカーンコーン♪
「じゃあ、ここまで~」


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