キケンな四兄弟
「あ、あぁ…これ?」
あたしの視線に気が付いた優人さんが、話し始める。
「これ、走ってたら水たまりに足突っ込んじゃったー」
「え…か、格好いい服なのにごめんなさいっ!!」
優人さん、走って来てくれたんだ。
水に濡れるのに、気にしないで…。
「謝らないでよ、こんなの洗濯すれば元通りだし!」
「で、でも…でもですねっ」
必死なあたしを見て、優人さんは困ったようにほほ笑んだ。
「じゃあさ…」
優人さんが少し考えた後に、言葉を紡ぎだす。