キケンな四兄弟


「あ、あぁ…これ?」


あたしの視線に気が付いた優人さんが、話し始める。


「これ、走ってたら水たまりに足突っ込んじゃったー」

「え…か、格好いい服なのにごめんなさいっ!!」


優人さん、走って来てくれたんだ。

水に濡れるのに、気にしないで…。


「謝らないでよ、こんなの洗濯すれば元通りだし!」

「で、でも…でもですねっ」


必死なあたしを見て、優人さんは困ったようにほほ笑んだ。


「じゃあさ…」


優人さんが少し考えた後に、言葉を紡ぎだす。

< 225 / 243 >

この作品をシェア

pagetop