キケンな四兄弟
確かに、俺は舞香が危ないの見てて、助けなかった。
すぐ兄貴に連絡した。
もちろん兄貴が近くに居るの分かってたし、もし助けに来るのが遅かったら、死んでも俺が助けるつもりだった。
「気付いてたのに、なんで自分が行かなかったの?」
「別に、深い理由なんかない」
「深い理由がないんならすぐ助けなよ。舞香ちゃんが危ないことぐらい分かってただろ」
胸ぐらを兄貴に掴まれた。
声を荒げてないし、睨みもきいてないのに、なぜか兄貴が怖いと思った。
淡々とした口調の中に、激しい怒りが隠れている。
「……っ!」
「いい加減にしなよ。ちゃんと理由説明しな」
「……んなの、ただ…」