キケンな四兄弟
「俺より兄貴が行った方がアイツは嬉しいと思ったからだよ!」
兄貴はきょとんとして俺を見ている。
すぐに元の表情に戻ると、俺の胸ぐらを一層強く握りこんで言った。
「へえ…そんな理由で?」
「実際そうだろ? 兄貴だってなんだかんだ舞香に本気なんだろ」
「…だったら何?」
「なおさら良かったじゃねーか。それなら何でとやかく言われなきゃなんねーんだよ。じゃあ、俺、部屋戻る」
無理やり兄貴の手を払いのけ、俺は足早に自分の部屋に入った。
勢いでベッドに仰向けに飛び込む。
さっきの兄貴の言葉が頭に何度も響いた。
『だったら何?』
正直カマでもかけるつもりで聞いただけだった。
けど…当たってた。
兄貴が、アイツを、好き。