キケンな四兄弟
「なんか視線を感じるんですが」
「んー?俺はなーんにも感じないけどなー」
「…優人さん…」
「舞香の自意識が過剰なんじゃねえのか?このナルシスト」
「なっ…!?」
「まぁまぁ二人ともー♪」
危うく、バスという公共の場で喧嘩を勃発させちゃうところだった。
だって隼人むかつくんだもん。
この痛い視線が勘違いだったら…いんだけど、実際そうはいかなくて。
さっきからチラッチラとこっちを振り向く女の子がいっぱい。
あたしはため息を吐いた。
「二人は自分がいわゆるイケメンだということを自覚してください」
「何か言ったか?」
「…いえ。なんでも」