キケンな四兄弟

「なんか視線を感じるんですが」

「んー?俺はなーんにも感じないけどなー」

「…優人さん…」

「舞香の自意識が過剰なんじゃねえのか?このナルシスト」

「なっ…!?」

「まぁまぁ二人ともー♪」



危うく、バスという公共の場で喧嘩を勃発させちゃうところだった。

だって隼人むかつくんだもん。

この痛い視線が勘違いだったら…いんだけど、実際そうはいかなくて。

さっきからチラッチラとこっちを振り向く女の子がいっぱい。

あたしはため息を吐いた。



「二人は自分がいわゆるイケメンだということを自覚してください」

「何か言ったか?」

「…いえ。なんでも」



< 241 / 243 >

この作品をシェア

pagetop