キケンな四兄弟

その視線は遊園地に着いてからも、途絶えることはなくて。

「ああ、なんで高校生にもなって遊園地なんだよ、だせえ」とブツブツ呟いてる隼人。

「いいじゃん、舞香ちゃんもいるしさあ!」とニッコニコで楽しそうな優人さん。

あたしは優人さんの後ろをてくてくと歩き、そのあたしの後ろを気だるそうに隼人が付いてきた。


『きゃー、あの人たちカッコイイ!』

『どこかのタレントかなあ?』

『一緒にいる女の子は誰?』

『さあ…』


ひそひそ、ちょっとそれやめてくんないかな。

あたしだって好きで来てるわけじゃ…。


「舞香ちゃん見て!着ぐるみいるよ!舞香ちゃんの好きなキャラクターの!」

「えっうそ!どこ?どこですかっ?」


あたしは着ぐるみを見つけると、一目散にそっちへ走って行った。

そして「はいチーズ♪」とカメラを向ける優人さんに、写真まで撮ってもらってしまった。

< 242 / 243 >

この作品をシェア

pagetop