キケンな四兄弟

「大丈夫? 立てる?」
見上げると、座り込んでいたあたしに陸人さんが手を差し出してくれていた。
「あっ、はい…っ!」
あたしは陸人さんの手を掴む。
…ドキッ──
心臓が跳ねた。

「もう、びっくりしたよ…海人がさ、『舞姉が来ないんだけど、どこ行ったの?』って聞いてきたから、近くにいたおばさんに聞いてみたんだよ。そしたらさ、『派手な男と走ってった』だって言うからさ…もしかしたらと思って…」
「すいませんっ、心配かけちゃって…」
あたしは軽く頭を下げる。
「いいのいいのっ、でも、知らない人に付いて行っちゃ駄目だよ?」
「すいませんっ…本当に…」
「んーん、舞香ちゃんが無事でよかった!」
陸人さんがあたしの頭をクシャっと撫でた。
「…っ!」
あたしの心臓はまた跳ねた。


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