キケンな四兄弟
そこには、あたしと同じ制服、身長170cmちょっとくらいの長身、明るい茶色の髪をした、男の人が立っていた。
「おい、お前何してんの?」
どうやらこの人は、あたしに向かって話しているようだった。
あたしはあたふたしながらとっさに返事する。
「あっはっはい! 今日からお世話になります…っ」
あたしが自己紹介しようとすると、その男はあたしの言葉をさえぎって言った。
「舞香…か?」
はっ? 何であたしの名前知ってんの?
…いや、知ってて当たり前か。
「あ…はい…よろしくお願いしますっ」
あたしは軽く頭を下げて言う。
「ふ~ん。俺は広瀬隼人。どーぞよろしく」
その男はめんどくさそうに髪を整えながら言った。
なんか…怖そうだなぁ…。
ていうか、高校一緒だ…何年生かな…?
「隼兄ぃ! おっはよ♪」
またまた突然、背後から声がした。
今度はあたしと同じくらいの身長で、サラサラした黒髪の可愛らしい男の子が立っていた。
「おー…はよ」
さっきの男、隼人さん?が挨拶する。
き、兄弟…かな?
「ねぇ、隼兄ぃ、このひと誰?」
可愛い方の男の子があたしを指差して言う。
「あ、舞香です! 今日からお世話になりますっ」
あたしは慌てておじぎをする。
あたしが自己紹介すると、男の子はあたしにパタパタと寄って来て、眩しい笑顔で言った。
近くで見ると、あたしよりちょっと背が低いかもしれない…。
しかもその人懐っこい笑みは、子犬を思わせる。
今にも耳がはえてきそうだ。
何だろ…この小動物…!?
「よろしく、舞姉! 僕は、広瀬海人!今日から中3だよっ」
「よ…よろしくっ!」
さっきの人と違って可愛い…。
中3かぁ、一個年下だぁ…。