キケンな四兄弟
「ちっ…違いますってば!」
「はん、誰がこんな女と一緒に帰るかバカ兄貴」
むかつく…。
あたしだって帰りたくないよ、あんたなんかと。
帰り道、偶然会っただけ。
普通のクラスメートならそれだけで「バイバイ」なのに、家が一緒だとそうはいかない。「付いてくんな、バカ」「そっちこそ!」の繰り返しでここまで辿り着いたのだ。
「まぁまぁ、ケンカしないで」
あたしと隼人の口ゲンカをなだめるように、リビングから陸人さんが出てくる。
「あれ、舞香ちゃん、今日は隼人と一緒なんだ」
陸人さんまで何を…!!
「違いますよ、偶然会っただけですっ」
「…会いたくもねーのにな…全く、ついてねー」
隼人はそう言って、ため息をつきながら自分の部屋に戻っていった。