キケンな四兄弟

「あーあ…舞香ちゃん、あいつ昔っから無愛想で…ごめんね?」
陸人さんが困ったように笑いながら言った。
「舞香ちゃん、あいつ性悪でしょー? やっぱ俺がいーよね? ね?」
優人さんが、自分を指差して言う。
「いえ…あいつはあいつですから」
あたしは笑顔で返す。

なんであいつをかばうような事言ったんだろ…。
分かってるよ、あれがあいつだって。
でも…ムカつくもんはムカつく、それだけの話なんだ。

「みんなーっ、晩御飯できたわよっ」
台所から、ミドリさんの明るい声がする。

「あ、舞香ちゃん、悪いけど…隼人呼んで来てくれないかな?」
本来なら断るとこだけど…顔の前で手を合わせる陸人さんを見たら、断れるはずがなかった。
「…はい、いいですよ」
「ごめんね?」
「いえいえっ」
あたしは引きつった笑顔で返事をして、隼人の部屋がある2階へ向かった。

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