キケンな四兄弟
「舞香ちゃん、今日から俺と一緒の高校来るんでしょ? 一緒に行こーよっ」
あたしの思いをよそに優人さんがまた近寄って来る。
「えっあー…」
あたしは視線を泳がせる。
かなり戸惑っていた。
「おいおい、みんなその辺にしときなよ」
3人をなだめるようにドアから出てきたのは、スラッと長い手足、色素のうすい髪、整った顔立ちをした、男の人。
…そうか…この人が、もう一人の兄弟…。
ってか………王子!!
「ごめんね舞香ちゃん、みんなうるさくて…あ、僕は広瀬陸人。長男だよ」
そのまばゆいばかりに輝く王子様・陸人さんが、ニコッを微笑んだ。
「高峰…舞香です…よろしくお願いします!」
あたしは本日何回目か分からないおじぎをする。
そして起き上がってまた陸人さんに視線を向ける。
「あはは、そんな固くなんなくていいって! 一緒に住むんだしさ」
陸人さんの目を細めた笑い方が、めちゃくちゃ眩しかった。
「はいっ、すいません…」
あんまり陸人さんが眩しかったから、あたしは目線をそらせてしまった。
「あ~舞姉、陸兄のこと好きになっちゃったぁ~?」
突然海人くんが嬉しそうに言う。
「えっ海人くん!? そんなんじゃないって!」
あたしは両手をバツにして全身全霊で否定した。
そんなあたしを見て隼人くんが言う。
「ほー…おまえもそこらの女と一緒だな」
ムカッ…───
「なっ何よ…「まぁまぁ」
あたしがキレる寸前、陸人さんが割って入る。
「隼人も舞香ちゃんも、仲良くしなきゃだめじゃん! 舞香ちゃん、隼人には敬語とかなしでいいからね? 同級生なんだしっ」
ど…同級生!?
「って事は…隼人くんも今日入学式…!?」
あたしはおそるおそる聞く。
「…んだよ、悪りーかよ?」
「いっいや!」
最悪…こんな第一印象最悪な奴と同級生だなんて…!!!