キケンな四兄弟

ドキィィッ!!!
あたしの心臓が跳ねる。
反則です反則です!! その王子スマイルは!! しかも“あんな可愛い子”だなんて!!
今のあたしは絶対、顔が赤いだろう。
「なんだよ、違うのかよ」
さっきの男子生徒は残念そうに言っている。

ふと気が付くと、詩織さんがあたしの顔をまじまじと見つめている。
「やっ…違いますよ!? 信じないでくださいよね!?」
あたしは、詩織さんがさっきの事を考えているんだろうと思い、否定した。
詩織さんは少し笑う。
でも、その微笑みはさっきと違って、少し悲しげだった。

「舞香ちゃんて、好きな人いるの?」
詩織さんがあたしに聞いた。



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