キケンな四兄弟
「まぁとにかく、みんな入学式行きなよ! 遅刻するよっ」
陸人さんが今にも叫びだしそうなあたしと、ムスッとしている隼人くんの背中を押して、廊下を進む。
「舞香ちゃん、隼人と仲良くしてやってね?」
陸人さんが苦笑いしながら言った。
「は、はいっ!」
あたしは無理矢理笑顔をつくる。
「はぁ!? 何で俺がこんな女とっ!?」
ムカッ…──。
「舞香ちゃ~ん、俺も2年だからよろしくね~?」
「舞姉~、僕も高等部に遊びに行くからねぇ~?」
優人さんと海人くんもあたしの後ろを付いて来る。
すごい失礼な発言もあった気がしたけど…幻聴か。
「はいっ、こちらこそ!」
ヤケになって満面の笑みで返事をする。
あたし…隼人くんにもうちょっとでキレるとこだった…!!
何よ、すっごい口悪いし! 怖いし!
こんな人と同級生なんて…すごい嫌だ。
…どれに比べて陸人さんは…優しくて、しっかりしてて…まさに王子!!(笑)
そんな事を考えながら、あたしは新しい高校に向かった。