キケンな四兄弟
「あっ、舞香ちゃん!」
その時、少し遠くから可愛らしい声がした。
「詩織さんっ! 詩織さんも、Aチームだったんですね」
「そうなの、嬉しい! 舞香ちゃんと同じチームで」
「いえいえそんなっ! こちらこそですっ」
あたしも光栄だな、詩織さんと一緒で!
「ま──いっかちゃん♪」
「舞姉ぇっ!」
「わっ!」
後ろから誰かに抱きつかれた。
あたしは驚いて後ろを向く。
「優人さん、海人くん!? 二人もAチーム!?」
「えっへへ、僕はBだよぉ」
「俺もBだけど、舞香ちゃん見つけて来ーちゃった」
優人さんは満面の笑みで言う。
(こ、この人は………。)
「来ーちゃった、じゃないですよ…。ほら、連れの方達待ってますよ?」
あたしは優人さんの取り巻きサン達を指差す。
「優人ぉ~、早く戻って来てよぉ」
「誰ぇー? その子ー」
「ほらほら、あたし勘違いされてますってば!」
「えぇ~つれないなぁ…ま、体育祭頑張ろうねっ♪ じゃっ」
「ばいばぁい舞姉っ」
そう言って二人はBチームのところへ戻って行った。