キケンな四兄弟
「ありがとうございますっ」
あたしはその紙コップを受け取った。
「はい、陸人も」
「…サンキュ」
陸人さんもためらいがちに紙コップを受け取る。
何この空気!?
気のせい??
「あーっ、美味しいですこのジュース」
あたしは何とかこの変な空気を変えようと、大袈裟に大きな声で言う。
「ね? 陸人さんっ」
「え? あ、うん! 美味しいよ」
あたしの質問に、陸人さんはつまりながら答えた。
何か…心ここにあらず、って感じ…。
「そうなの? 私飲んだ事ないんだけど…飲んでみようかな」
詩織さんが言う。
「あ、じゃああたしのどうぞ…」
「陸人、ちょっと貰うね?」
あたしがコップを差し出そうとしたその時、詩織さんは陸人さんの手からコップを取って言った。
「うん、本当だ。美味しい!」
詩織さんはジュースを飲んで、太陽みたいな笑顔で言う。
え…これって…間接キス!?