キケンな四兄弟
「ただいまーっ」
あたしは家の玄関を勢いよく開ける。
「んだよ…うっせーな」
リビングのソファには、隼人が座ってマンガを読んでいた。
「何よ…って、まだ隼人しか帰ってないんだ」
「まーな…兄貴達と海人は、体育祭の準備と練習だってさ」
「…ふ~ん、三年は大変だね…ところで、隼人って種目何に出んの?」
あたしは、隼人とは距離を空けてソファに座る。
「あー…確か、パン食い競争だっけか」
隼人はポテチを食べながら、かったるそうに言う。
目線はマンガから離れない。
「ふ~ん、他に誰がいるの?」
あたしもポテチを一枚かじりながら隼人に聞く。
「…誰でもいーだろ」
「何よ、教えてくれたっていいじゃん…ってあ、詩織さんだ! そういえばパン食い競争って言ってた! 何で答えなかったの?」
「別に…」
隼人はそう言うと、よっぽどめんどくさいのか、マンガとポテチを持って自分の部屋に戻って言った。
嫌な奴…。