キケンな四兄弟
「頑張ってくださいよ! 詩織さん! あたし応援してます!」
本当は応援なんてしたくない。
辛い、はずだけど。
「…ありがとう…っ! あたし…もう一度頑張ってみようかな…??」
「はいっ! その心意義ですよっ!」
口が勝手に動くんだ。
あたしは弱い。
“好きな気持ちにはそんなの関係ない”
こんな事言える資格なんてない。あたしは弱いんだ。
好きな人の本当の気持ちを知るのが、怖いんだ。
「ありがとうねっ! なんか…舞香ちゃんのおかげで、元気出たよっ! 諦めないで、自分の気持ちに素直に頑張ってみる!」
詩織さんが笑顔で言う。
その笑顔を見るとまた胸が痛んだ。
「いえっ…じゃ、あたしはもう戻りますっ…また今度っ!」
あたしは詩織さんの返事も聞かずにその場から立ち去る。
これ以上居たら…絶対あたしは耐えられない。
あたしの弱い気持ちがこうさせたくせに…。
そんな感情が涙となって溢れてくる。