キケンな四兄弟

なんで応援しちゃったんだろ…。
馬鹿だな、あたし…。
そう思いながらあたしは学校の屋上に行く。
屋上には誰も居なくて、ただ青い空だけがあたしを見ていた。
「…ぐすっ…はぁ…」
あたしは泣きながら仰向けに寝転んで、空を見上げていた。
爽やかな風が心地いい。

ガチャ…───
突然、あたしがいる屋上のドアが開く音がした。
「んだっ…誰っ!?」
あたしは慌てて起き上がり、涙を制服の袖で拭う。
その時、ドアから人が入って来た。
「は!? おまっ…何してんだよ」
なんだ…隼人か…。
「別に。空仰いでんの」
「ふーん」
隼人はそう言いながらあたしの隣に座る。
「あんたこそ何やってんの? てか、隣座んな」
「授業フケてきた…ここ、俺の特等席なんだよ」
「いつ決まったのよそんなの!」
あたしはいちいちムキになって言い返す。



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