キケンな四兄弟

「お前…もしかして泣いてんのか?」
隼人は言い返そうとあたしの方を向いた瞬間、驚いたような表情に変わった。
「泣いてない…ふざけないで」
「ふざけてねぇし…じゃあ、なんで目赤けーんだよ?」
「あっ…これは汗! 汗かいちゃったの!」
「ふーん……目に汗かくのかよ、お前は?」
隼人の言葉にあたしは動揺する。
「…そうだよっ」
「…嘘つけよ」
呆れたようにそう言う隼人。
「ついてないもん!」
「泣いてんじゃねーよ…うぜぇんだよ」
「うざいって何!? もうちょっと…慰めるとかアンタの選択肢には無いわけっ!?」
あたしが大声でそう言うと、隼人は立ち上がって、屋上から出て行った。


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