冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
結婚の契約は淡々と
「藤原(ふじわら)、例の書類どこやった?」
「デスクに置いておきましたよ」
「どこだ」
ここ、『秋月(あきづき)アーキテクト』の不動産投資企画部は、一日中殺伐(さつばつ)とした雰囲気が漂っている。
七月最後の金曜日。
猛暑となった今日はクーラー全開で、オフィスの中は寒いくらいなのに、癖のある前髪から覗く額に汗を浮かべて焦っているのは、三十七歳の課長、浜野(はまの)さん。
私が作成して置いておいた書類が見つからないらしい。
浜野さんは優秀な人だけど、片づけが苦手でいつもデスクが散らかっているのだ。
私、藤原里沙は席を立ち、浜野さんのデスクまで行って一緒に書類を探し始めた。
中途採用で入社して二年。
二十四歳の私はまだまだ下っ端で、事務処理を担当することがほとんどだ。
雑用ももちろん引き受けている。
「部長、会議でよかった」
「デスクに置いておきましたよ」
「どこだ」
ここ、『秋月(あきづき)アーキテクト』の不動産投資企画部は、一日中殺伐(さつばつ)とした雰囲気が漂っている。
七月最後の金曜日。
猛暑となった今日はクーラー全開で、オフィスの中は寒いくらいなのに、癖のある前髪から覗く額に汗を浮かべて焦っているのは、三十七歳の課長、浜野(はまの)さん。
私が作成して置いておいた書類が見つからないらしい。
浜野さんは優秀な人だけど、片づけが苦手でいつもデスクが散らかっているのだ。
私、藤原里沙は席を立ち、浜野さんのデスクまで行って一緒に書類を探し始めた。
中途採用で入社して二年。
二十四歳の私はまだまだ下っ端で、事務処理を担当することがほとんどだ。
雑用ももちろん引き受けている。
「部長、会議でよかった」