冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
彼が少し離れた部長の席を見て安堵の声を漏らすのは、いつもデスクを片づけろと叱られているからだろう。

といっても、我が部の部長、秋月総司(そうじ)さんは三十二歳。
浜野さんより年下なのだ。

秋月さんは現社長の次男で、いわゆる御曹司。

しかし、親の七光りで若くして部長を務めているわけでは決してない。

この部は特に完全実力主義で、秋月さんの能力は誰もが認めている。


彼は大学在学中に不動産投資を始め、卒業するまでに三億円ほど稼いだ凄腕投資家でもあるのだ。

学生でありながら金融機関にプレゼンをして融資をもぎ取り、南青山にある賃貸用中古マンションを購入後、綿密な下調べと緻密(ちみつ)な計算ですぐに黒字を叩き出して高値で売却。

その資金をもとに、また別のマンションを買って……あっという間に三億の純利益を上げたという。

すごすぎて伝説のように取り上げられるけれど、現実なのだとか。


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