冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
不機嫌な声が背後から聞こえてきて振り向いた。

するとそこには声の主、秋月さんがあきれ顔で立っている。


百六十二センチの私より頭ひとつ分背が高い彼は、細身ではあるが胸板は厚く、ダークネイビーのスーツがよく似合っている。

アーモンド形の二重の目に、通った鼻筋。
甘いマスクを持つけれど、長めの前髪から覗く意志のある目ににらまれると誰もが震え上がる。

彼の兄で、都市開発事業部をけん引する文則(ふみのり)さんと、女子社員の人気を二分するほどの存在だ。

兄の文則さんは秋月さんとは違うタイプで、凛々(りり)しい眉が印象的。

髪が短めなのもあってか、スポーツができそうに見える。
ただ、本当のところは知らない。

文則さんは目元が社長に似ているが、秋月さんは母親似なのか兄弟であまり顔が似ていない。

とはいえ、ふたりとも整っているのがうらやましい。


「今すぐ」


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