序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

　路夜……眼鏡をかけた、やんちゃそうな警官だ。そういえば彼と椿はどういった関係なのだろうか。

「あの、路夜さんと椿さんはお友達なんでしょうか？」
「そうか、路夜について話してなかったな……あいつは、鷹泉路夜(たかいずみみちや)。鷹泉家の人間だ」
「！？　鷹泉家の方なんですか？」

　国内の警察組織を取り仕切る三大名家の一角。まさか路夜が、鷹泉の人間だったなんて夢にも思わなかった。

　路夜は……悪人ではなさそうだが善人でもなさそうな、そんな印象を穂波は受けていた。警官の仕事にもそこまでこだわりや、やる気のようなものは感じられなかった。

　鷹泉家は軍隊のように統制がとれていて、規律を大事にする厳格な家柄だと聞いていたこともあり……どかっと足を机にかけて、煙草を吸っていた路夜の姿と結びつかない。

「見えないだろう？　一族の中でも不良扱いされていて、あの警察署には島流しされているんだ。鷹泉の人間たちは、帝都の署にほとんどが勤めている」

　本当は優秀なんだが、いかんせん何事にもやる気がない男なんだと、椿は呆れたようにため息を吐いた。

「あいつは俺と歳が同じでな。それもあり学校や、鷹泉家と顔を合わせる機会などで、関わることが多かったんだ。腐れ縁というやつだな」