序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

「大丈夫です。もっと一族の皆さんのことが知りたくなりました！　皆さんのこと教えてください」

　あと椿さんが、さっきも守ろうとしてくれて嬉しかったですと穂波が笑いかけると、椿は安心したように口元を緩めた。もちろんだと頷くと、家に辿り着くまでの間に、先ほどの女性たちについて話し始めた。

　一人一人の名前や、どんな家に属してるのか、念力まで全て椿は覚えていた。

「凄いですね、椿さん。一族のみんなのことを把握していて……時隆様みたいです」

　時隆も、藤堂一族の全員の顔も名前も念力、何もかもを把握していた。結局、当主争いから自分は離脱してしまったが、藤堂一族はどうなっていくんだろう。時隆の死の謎だって解けていない。

「時隆さんを見習って、始めたんだ。時隆さんには仲良くしてもらっていたからな、当主とはなんたるかについてもよく話してもらっていた」