序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
「椿をたぶらかさないでよ!」
がんっと、涼葉は薙刀を床に振り下ろした。その振動で部屋の家具ががたがたと揺れる。
涼葉の様子を見て、穂波はさっき椿を取りまいた女性たちとこの子は違うと、すぐに勘づいた。怒りでぐっと吊り上がって、眉間に皺を寄せた表情や怒気なこもった声色もそうだが、目尻に浮かぶ涙を見たからだ。
「なんでいきなり……藤堂都姫なら納得できた。本家の人間で、念力も並外れた力だし」
「涼葉様……これ以上は」
激昂する涼葉の肩に、花森が手を置いて押さえつけようとする。それでも涼葉の言葉は止まらなかった。
「何も持ってないくせに。白洲家って、藤堂の中でも底辺だし。そのくせ念力だってたまたま椿の力に近いだけで」
「涼葉」
涼葉は、自分の名前を呼ぶ声に振り返った。そこには穂波や花森と先程まで話していた時と、一切、雰囲気の違う椿が立っていた。花森はその表情を見て、まずい、これは久しぶりに本気でキレてしまっているなと、額に冷や汗を浮かべた。
がんっと、涼葉は薙刀を床に振り下ろした。その振動で部屋の家具ががたがたと揺れる。
涼葉の様子を見て、穂波はさっき椿を取りまいた女性たちとこの子は違うと、すぐに勘づいた。怒りでぐっと吊り上がって、眉間に皺を寄せた表情や怒気なこもった声色もそうだが、目尻に浮かぶ涙を見たからだ。
「なんでいきなり……藤堂都姫なら納得できた。本家の人間で、念力も並外れた力だし」
「涼葉様……これ以上は」
激昂する涼葉の肩に、花森が手を置いて押さえつけようとする。それでも涼葉の言葉は止まらなかった。
「何も持ってないくせに。白洲家って、藤堂の中でも底辺だし。そのくせ念力だってたまたま椿の力に近いだけで」
「涼葉」
涼葉は、自分の名前を呼ぶ声に振り返った。そこには穂波や花森と先程まで話していた時と、一切、雰囲気の違う椿が立っていた。花森はその表情を見て、まずい、これは久しぶりに本気でキレてしまっているなと、額に冷や汗を浮かべた。