序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜

　花森も間に入って断ろうとしてくれたが、涼葉に結局、そうやって椿に守られてるだけなんだと煽られ……まんまと乗ってしまった。

（だって悔しかったんだもの）

　それに自分が馬鹿にされたままだと、椿もずっと涼葉とぎくしゃくしたままになってしまうかもしれない。涼葉に認めてもらって、良い関係になれば全てが円満に収まるのでないかと穂波は思った。

　やってしまったものはもう取り戻せない。腹を括って、今は勇がせっかく紹介してくれた仕事に臨むのみだ。

「三日前から帰ってこない奥様を探してほしいとは、心配な依頼ですね。ご無事だと良いですが」

　涼葉の文句には反応しないよう、自然に話題を振ってみた。

「よくあるのよ、こういう依頼。警察にも相手にしてもらえないからうちにくる」

　そんなことも知らないのと言わんばかりの態度で、涼葉は穂波をじろりと睨む。