序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
触れた物からその物に関係した人間の思念を読み取る。それが穂波の力だった。
この国を取り仕切る三大名家……藤堂家、氷宮家、鷹泉家。名家に数えられる所以は、この一族の人間たちが皆、念力と呼ばれる特別な力を持っているからだ。
藤堂家の端くれとはいえ、穂波もまた念力を保有していた。最も、穂波の力は一族内で評価されることはない。評価されるのはいつの時代も、戦いに向いている力ばかりだからだ。
「穂波様ー! あの、玄関の前にお客様が……」
「お客様?」
白洲家の人間が全員出払っているこのタイミングになぜ客がと、穂波は首を傾げた。外部の人間との接触はほぼ遮断され、家での給仕しかしていない穂波宛に、客なんて訪れるはずがないからだ。
疑問に思いながらも、穂波は駆け足で玄関へと向かった。
この国を取り仕切る三大名家……藤堂家、氷宮家、鷹泉家。名家に数えられる所以は、この一族の人間たちが皆、念力と呼ばれる特別な力を持っているからだ。
藤堂家の端くれとはいえ、穂波もまた念力を保有していた。最も、穂波の力は一族内で評価されることはない。評価されるのはいつの時代も、戦いに向いている力ばかりだからだ。
「穂波様ー! あの、玄関の前にお客様が……」
「お客様?」
白洲家の人間が全員出払っているこのタイミングになぜ客がと、穂波は首を傾げた。外部の人間との接触はほぼ遮断され、家での給仕しかしていない穂波宛に、客なんて訪れるはずがないからだ。
疑問に思いながらも、穂波は駆け足で玄関へと向かった。