序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
 なぜそんな組織ができあがったのか? 目的は、三大名家への報復なのか? 今回の事件はどんな目的で動いているのだろう。気になる点だらけだ。

「依頼人」
「はっ、はい!」
「念力を使って未来視をする。手を差し出してくれ」

 肝心の未来視がしたい、椎菜や誘拐犯たちはこの場には居ないが、確かに依頼人の未来を読み取れば何かわかるかもしれない。穂波や涼葉からも読み取れる可能性はあるが、一番事件や椎菜に関わってる依頼人の方が適性がある。

「こうでしょうか?」

 恐る恐る依頼人が差し出してきた手を椿は握り、未来視の念力を使った。

 しばらく目を瞑り無言だった椿が、数分経ってようやくその場に意識を戻した。

「犯人たちの場所がわかった」
「本当!? さすが椿!」
「隣町の貿易港が視えた。穂波さんが視た倉庫のような場所は、この貿易港の倉庫だろう」

 依頼人は迷った様子で、椿の様子を伺いながら口を開いた。

「私の妻は……椎菜は無事だったのでしょうか?」
「このままでは正直、危ない。まだ命はあると思うが亡くなる可能性が高い」

 凄惨な未来を視ることに慣れているのか。椿は顔色一つ変えず事実を述べた。依頼人の顔色が一気にさーっと青くなる。

「! そんな……早く助けに行かないと……!」

 
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