序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
「ひとまずこんな所で立ち話もなんですので。お部屋にご案内させていただきますね」

 人探しについて気になる部分はあれど、追求していいかわからなかった穂波は、ひとまず彼を応接間へと連れて行くことにした。

 二階にある応接間はつい最近、畳からフローリングにはりかえ、葡萄色のカーペットやソファを取り揃えたばかりだった。派手な金色の彫刻や、様々な色を混ぜ込んで煮詰めた、意味の読み取れない絵画が飾ってあった。

 ここ数年の間、異国から流行してきた文化によって部屋や衣服、食べ物など、大きく変化していた。異国との折衷こそが美という風潮が強くなってきており、白洲の屋敷も流行に敏感な蓮華の手によって随分と様変わりした。

「統一感のない部屋だな」

 むすっと眉を寄せ、椿は呆れたような顔をしてみせた。

「この部屋のインテリアを考えた人間は相当、派手好きで、見栄っぱりなようだ」

 椿の見解があまりにも当たっていて、穂波は苦笑するしかなかった。蓮華に聞かせたいぐらいだ。

 それにしても椿があまりにもはっきりと物を言うから、穂波は驚かされていた。驚いたと同時に、少し羨ましくもなった。

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