序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
「来客が来てるって? 何勝手に通してんのよ」

 蓮華のずかずかと階段を駆け上がってくる足音がすると、勢いよく扉が開かれた。事前約束なしの来客に苛立っていたのだろう。

 だが、椿の顔を見た瞬間、蓮華はわかりやすいぐらいに目の色を変えた。頬を紅潮させ、庭の鯉のように口をぱくぱくとさせている。交友関係が広く、派手に遊んでいる彼女でも、椿ほどの美貌の男性と時間を共にすることは少なかった。

「勝手にあがって、申し訳ない」
「いっ、いえ! こちらこそ出先だったもので」

 こんなにたじたじとした蓮華の様子を見るのは初めてだと、穂波は椿に感心した。美貌一つであの姉を圧倒できるなんて。

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