序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
この念力こそが、路夜が憮然とした態度で振る舞えている理由だった。壊す力と癒す力。二つの力を操れる稀有な存在として、鷹泉の人間たちは彼を簡単に切り捨てることができない。
「表では、田舎街の警察官。裏の本業は、大罪人たちの拷問官……でしたよね」
「俺自身は、普段の仕事の方が楽だし、そっちを本業だと思ってるけど」
痛めつけることも治すことも、どちらもできる路夜は、鷹泉家から拷問官の仕事を任されている。良くも悪くも、他人へ感情移入することが少ない路夜の性格もあり適役とされていた。これまで挙げてきた成果も多い。
「俺は今から、この場所にずっと留まることにする……これで、未来の俺の思念を読めるようになるんじゃねぇか?」
時計台下の通りで、路夜は今、意図的に思念を残した。この場に立ち止まる未来を選んだその思念を読めば、新しい光景が視えるかもしれない。
椿は頷くと、すっかり人気のなくなった通りにしゃがみ、路夜の立っている……未来の穂波が倒れていた場所に手を触れた。
白黒の景色が、椿の中へと流れ込んでくる。相変わらず人気のなくなってしまった時計台下の通りに路夜は立っていた。
『おい、過去の椿。視えてるか? 奴らの狙いがわかった』
誰も居ない通りで路夜は、椿に呼びかける。
「表では、田舎街の警察官。裏の本業は、大罪人たちの拷問官……でしたよね」
「俺自身は、普段の仕事の方が楽だし、そっちを本業だと思ってるけど」
痛めつけることも治すことも、どちらもできる路夜は、鷹泉家から拷問官の仕事を任されている。良くも悪くも、他人へ感情移入することが少ない路夜の性格もあり適役とされていた。これまで挙げてきた成果も多い。
「俺は今から、この場所にずっと留まることにする……これで、未来の俺の思念を読めるようになるんじゃねぇか?」
時計台下の通りで、路夜は今、意図的に思念を残した。この場に立ち止まる未来を選んだその思念を読めば、新しい光景が視えるかもしれない。
椿は頷くと、すっかり人気のなくなった通りにしゃがみ、路夜の立っている……未来の穂波が倒れていた場所に手を触れた。
白黒の景色が、椿の中へと流れ込んでくる。相変わらず人気のなくなってしまった時計台下の通りに路夜は立っていた。
『おい、過去の椿。視えてるか? 奴らの狙いがわかった』
誰も居ない通りで路夜は、椿に呼びかける。