序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
『今、入った情報だ。陛下が……狙撃された。意識不明の重体だ。都姫と天音の狙いは祭りじゃなく……王室だったんだ』
想定とは違った狙いに、椿は自分の視ている未来を疑った。だがあの路夜が残した未来の痕跡だ。間違いなく事実だ。
もともと四片祭の警備にあたっては、王族の警護についても話し合われていた。陛下がお忍びで祭りを視察する予定があったからだ。
『まさか陛下を狙うとは考えてなかった。椎菜から盗まれた情報の中に、祭り当日の王族の行動についての情報もなければ……除籍処分者と都姫たちが繋がってたところで、王室を狙う利点がないと思っていたからだ』
そうだ。藤堂、氷宮、鷹泉、そして王室は堅い絆で結ばれている。既に三家から処分されてる者たちが、自分の家に汚名を着せようと逆恨みで王室を狙うなら、まだ可能性のある話だが。
だが現在も藤堂本家に属し、序列の高い立場にある都姫と天音には得どころか、犯行がばれた際に失うものしかない。
『椎菜の盗られた情報は、俺たちを錯乱させる為の罠だ。祭り当日でなく前日に、陛下を狙うのが奴らの目的だった……この未来は残念ながら失敗しそうだ。良いか? 婚約者のことは心配だろうが、王室から目を離すな。そして王室から未来を読み取れ』
路夜のその言葉を最後に、思念の世界はぷつりと切れた。
想定とは違った狙いに、椿は自分の視ている未来を疑った。だがあの路夜が残した未来の痕跡だ。間違いなく事実だ。
もともと四片祭の警備にあたっては、王族の警護についても話し合われていた。陛下がお忍びで祭りを視察する予定があったからだ。
『まさか陛下を狙うとは考えてなかった。椎菜から盗まれた情報の中に、祭り当日の王族の行動についての情報もなければ……除籍処分者と都姫たちが繋がってたところで、王室を狙う利点がないと思っていたからだ』
そうだ。藤堂、氷宮、鷹泉、そして王室は堅い絆で結ばれている。既に三家から処分されてる者たちが、自分の家に汚名を着せようと逆恨みで王室を狙うなら、まだ可能性のある話だが。
だが現在も藤堂本家に属し、序列の高い立場にある都姫と天音には得どころか、犯行がばれた際に失うものしかない。
『椎菜の盗られた情報は、俺たちを錯乱させる為の罠だ。祭り当日でなく前日に、陛下を狙うのが奴らの目的だった……この未来は残念ながら失敗しそうだ。良いか? 婚約者のことは心配だろうが、王室から目を離すな。そして王室から未来を読み取れ』
路夜のその言葉を最後に、思念の世界はぷつりと切れた。