序列100位のシンデレラ〜冷徹御曹司と、嫁入りから始まる恋をする〜
「都姫……すまなかった。俺は君が、穂波や君のお母さんと幸せに暮らしているのだと思っていた。そんな辛い思いをさせてしまっていると……知らなかった」
時隆は八潮については何も触れなかった。一族をかき乱すようなふざけた序列を残した時隆だが、その序列の一番上にも都姫の名前があった。ずっと時隆は、都姫のことを気にかけていたに違いないと穂波は思った。
「……この念力があるとね、周りが私を持ち上げてくれるの。あの藤堂八潮と同じ念力だって。でもどうしても家柄の問題で、学校では本家の人間に偉い顔をされたし、仲間に入れてもらえず、指をさされ馬鹿にされることもあった」
穂波は、昔から自分が都姫と比べられることも多く、都姫にばかり光が当たるところを見てきた。都姫はすごい。羨ましい。ずっとずっとそう思っていた。
しかし、都姫には都姫なりの苦労があったのだ。
「辛い思いをするたび、私の力は、あの八潮様と同じなんだって自分を鼓舞してきた。それなのに……八潮様が、私のお父様だったなんて……嬉しさよりも、なぜもっと早く教えてくれなかったのか、なぜ他の八潮様の子供と違って私はこんな暮らしを送ってきたのか。そっちが上回った」
「都姫……」
心配そうに見つめる穂波を横目に、都姫は時隆の首に掴みかかった。
「あんたのこともずっと尊敬していたのに……私の人生とお父様を奪われた!」
「やめて!」
都姫を止めようと、穂波は彼女の肩を突き飛ばした。少しよろけた都姫が、鬼のような形相で穂波を睨みつける。
「っ! 何も知らないで呑気に暮らしてきたくせに、邪魔しないでよ! ごみみたいな念力しか持ってないのに……なんで氷宮の当主に選ばれてんだよ! そんな奴に私の気持ちなんてわからない!」
時隆は八潮については何も触れなかった。一族をかき乱すようなふざけた序列を残した時隆だが、その序列の一番上にも都姫の名前があった。ずっと時隆は、都姫のことを気にかけていたに違いないと穂波は思った。
「……この念力があるとね、周りが私を持ち上げてくれるの。あの藤堂八潮と同じ念力だって。でもどうしても家柄の問題で、学校では本家の人間に偉い顔をされたし、仲間に入れてもらえず、指をさされ馬鹿にされることもあった」
穂波は、昔から自分が都姫と比べられることも多く、都姫にばかり光が当たるところを見てきた。都姫はすごい。羨ましい。ずっとずっとそう思っていた。
しかし、都姫には都姫なりの苦労があったのだ。
「辛い思いをするたび、私の力は、あの八潮様と同じなんだって自分を鼓舞してきた。それなのに……八潮様が、私のお父様だったなんて……嬉しさよりも、なぜもっと早く教えてくれなかったのか、なぜ他の八潮様の子供と違って私はこんな暮らしを送ってきたのか。そっちが上回った」
「都姫……」
心配そうに見つめる穂波を横目に、都姫は時隆の首に掴みかかった。
「あんたのこともずっと尊敬していたのに……私の人生とお父様を奪われた!」
「やめて!」
都姫を止めようと、穂波は彼女の肩を突き飛ばした。少しよろけた都姫が、鬼のような形相で穂波を睨みつける。
「っ! 何も知らないで呑気に暮らしてきたくせに、邪魔しないでよ! ごみみたいな念力しか持ってないのに……なんで氷宮の当主に選ばれてんだよ! そんな奴に私の気持ちなんてわからない!」