先生。～ 放課後の教室 ～

先生に渡すバレンタインをトートバッグの中に入れ、


私は家を出た。


(うぅ...、外寒すぎない！？)


晴れているとはいえ、まだ2月中旬。


暖かくなるのはもう少し先のこと。


家から中学校まではほんの5分程度。


今日は、確か3年生の補習日だったな。



普段なら閉まっているはずの正門も、


この日は空いているらしい。


正門を通り、校舎へと向かう。


職員用の靴箱は、確か南棟の東階段の隣だった気がする。


(・・・あった！)


職員用の靴箱の中から、津田先生の名前を探す。


津田、津田、津田…見つけた！！


私はトートバッグの中に入っている紙袋を


そっと津田先生の靴箱の中に入れた。


(・・・これでよし！！)


入れ終えた私は、そこから立ち去ろうとした。


その時。


向かいの北棟にある3階の教室から笑い声が


聞こえた。


あそこは…、3年生が補習してる教室だ。


監視の先生とかいないのかな。


あんなに騒いで大丈夫かな？


結構ここまで声響いてるけど…。


私たちも、来年は受験のことで頭いっぱいに


なるんだろうなぁ。


2ヶ月後は、新学期。そして、受験生。


早いし、信じられない。


私は正門を出て、帰路に着いた。