*触れられた頬* ―冬―
「ふん……。ごちそうさーん!」
「きゃ……きゃあああああっ!!」
ひょいとほんの一瞬、首を伸ばした凪徒の視界が、バスタオル一枚だけのモモの全身を捉える。
珍しく朝からご機嫌だった凪徒ならではの悪戯ではあったが、明日のモモへの『プレゼント』を思ったら、相応の『報酬』だったと自分で勝手に納得し、ロビーを目指してその場を去った。
──あれ? でも俺、もしかして……ずっと誤解してたか?
モモの姿を今一度思い出して、凪徒はつい首をひねっていた。
が、「まさかな」とよぎった疑惑を打ち消し、思わず込み上げる含み笑いを押し殺そうと、歩きながらその背を丸め腹を抱えた。
そしてモモは──。
──嘘……。み、見られた……。
しばらくの間、閉められた扉の前に呆然と立ち尽くし、十分と約束していたタイムリミットを大幅にオーバーして、ギリギリセーフで朝食会場に滑り込んだ──。
☆ ☆ ☆
「きゃ……きゃあああああっ!!」
ひょいとほんの一瞬、首を伸ばした凪徒の視界が、バスタオル一枚だけのモモの全身を捉える。
珍しく朝からご機嫌だった凪徒ならではの悪戯ではあったが、明日のモモへの『プレゼント』を思ったら、相応の『報酬』だったと自分で勝手に納得し、ロビーを目指してその場を去った。
──あれ? でも俺、もしかして……ずっと誤解してたか?
モモの姿を今一度思い出して、凪徒はつい首をひねっていた。
が、「まさかな」とよぎった疑惑を打ち消し、思わず込み上げる含み笑いを押し殺そうと、歩きながらその背を丸め腹を抱えた。
そしてモモは──。
──嘘……。み、見られた……。
しばらくの間、閉められた扉の前に呆然と立ち尽くし、十分と約束していたタイムリミットを大幅にオーバーして、ギリギリセーフで朝食会場に滑り込んだ──。
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