*触れられた頬* ―冬―
[34]ナンパとプロポーズ
「ズドラーストヴィチェ(こんにちは)、プリヤートナ ス ヴァミ パズナコーミッツァ(初めまして)」
数分の後、スタッフの女性が現れた。
連れられて楽屋に足を踏み入れた二人は、中年男性の団長ににこやかに声を掛けられ、がっしりとしたその手と握手を交わした。(註1)
「オーチェニ プリヤートナ(こちらこそ、初めまして)」
返す凪徒の真似をして、モモも何とか挨拶をする。
着替えや片付けを始めた団員達が駆け回る隅で、団長と凪徒の立ち話が始まった。
モモは「この少女があの『伝説のブランコ乗り』のひ孫!?」と興味津々で向けられた驚きと好奇心の瞳から、凪徒の影に隠れたまま、辺りをキョロキョロと見回し始める。
同じサーカスでも人種が違えば、こうも異世界に見えるものなのだろうか。
とはいえ、自分の八分の一は同じ血が流れている筈なのだが。
数分の後、スタッフの女性が現れた。
連れられて楽屋に足を踏み入れた二人は、中年男性の団長ににこやかに声を掛けられ、がっしりとしたその手と握手を交わした。(註1)
「オーチェニ プリヤートナ(こちらこそ、初めまして)」
返す凪徒の真似をして、モモも何とか挨拶をする。
着替えや片付けを始めた団員達が駆け回る隅で、団長と凪徒の立ち話が始まった。
モモは「この少女があの『伝説のブランコ乗り』のひ孫!?」と興味津々で向けられた驚きと好奇心の瞳から、凪徒の影に隠れたまま、辺りをキョロキョロと見回し始める。
同じサーカスでも人種が違えば、こうも異世界に見えるものなのだろうか。
とはいえ、自分の八分の一は同じ血が流れている筈なのだが。