*触れられた頬* ―冬―
「せ、先輩っ!」
「あ? 何だよ」
「な、何か話し掛けられてるんですけど良く分からなくて……」
ウエスト脇のシャツを引っ張られた凪徒は、モモの説明で、隣に立つもう一人のイケメンと数回のやり取りを交わしたが、
「(こいつはまだガキだっ、ほっとけ!)」(註2)
噛みつきそうな横顔で一喝し、金髪青年は残念そうにモモに笑みを向けて、手を振り去っていった。
「先輩……?」
「あー、「何処から来た?」って訊かれたから、「日本だ」って答えといた」
ぶっきら棒に返事をして、再びロシア美女達と話を始めてしまう。
──あんなおっかない顔で「日本」って? 明らかにロシア語で日本を意味する「イーポニャ」とか、英語の「ジャパン」とか聞こえなかったのだけど……。
ちなみにイケメン金髪青年は「君、可愛いね。今夜夕食一緒にどう?」と、モモをナンパしていたことは、凪徒だけの秘密となりました。
「あ? 何だよ」
「な、何か話し掛けられてるんですけど良く分からなくて……」
ウエスト脇のシャツを引っ張られた凪徒は、モモの説明で、隣に立つもう一人のイケメンと数回のやり取りを交わしたが、
「(こいつはまだガキだっ、ほっとけ!)」(註2)
噛みつきそうな横顔で一喝し、金髪青年は残念そうにモモに笑みを向けて、手を振り去っていった。
「先輩……?」
「あー、「何処から来た?」って訊かれたから、「日本だ」って答えといた」
ぶっきら棒に返事をして、再びロシア美女達と話を始めてしまう。
──あんなおっかない顔で「日本」って? 明らかにロシア語で日本を意味する「イーポニャ」とか、英語の「ジャパン」とか聞こえなかったのだけど……。
ちなみにイケメン金髪青年は「君、可愛いね。今夜夕食一緒にどう?」と、モモをナンパしていたことは、凪徒だけの秘密となりました。