*触れられた頬* ―冬―
「んじゃ、俺は(、、)月曜には帰るから。団長には改めて連絡する。リンを幸せにするんだぞ! おめでとうな!!」

 凪徒はぶっきら棒だが熱い祝福の言葉を投げて、モモに電話に出ろと携帯を渡した。

 モモも弾む声で「おめでとうございます!」と告げ、秀成は照れながらも、夫人と同じ妊娠三ヶ月だとの報告をして会話は終了となった。

「まったく……何なんだ、ベビーラッシュか?」

「先輩……『俺は月曜には』って何ですか? あたしも、ですよね?」

 苦々しい顔をして頬杖を突いた凪徒に、モモは後の方の『引っ掛かり』をまず問い(ただ)した。

「ああ……お前はもう少し残れ。まだ帰国便は変えられる」

 凪徒は簡潔に答えて、再び食事の続きを始めてしまう。

 椿との時間を少しでも──そんな厚意がモモには痛いほど感じられた。

 けれど──


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