*触れられた頬* ―冬―
[47]人形と卵
「乾杯!!」
意外なご馳走を前にして、凪徒とカミエーリアは甘めのシャンパン、椿とモモはこけもものジュースで、軽やかな音色を奏でる祝杯を挙げた。
「今だけは日本にいるのだと思ってね」
「え?」
ふふふと笑う椿にモモは不思議そうな顔をしてみせた。
ロシア最後の食事となるのだから、てっきりロシア料理が待っているのかと思いきや、食卓に並べられたのは全て日本食であったのだ。
「ロシアでは縁起が悪いと云って、誕生日前には絶対お祝いをしないのよ。でもその頃貴女はもう日本にいることだし……だからこのパーティは日本式で。ひなまつりも兼ねてね」
「ありがとう、お母さん!」
モモと椿・凪徒とカミエーリアの間を埋め尽くす料理は、目にも鮮やかな大皿のちらし寿司に、ハマグリに似た貝のお吸い物、子供の好きそうな唐揚げにミニハンバーグ、クリーミーなポテトサラダも沢山盛り付けられていた。
そして誕生日のメインとも言えるバースディ・ケーキも!
全ては椿が下ごしらえをし、カミエーリアの調理で完成されたと聞き、モモはこの仕込みの為、午前の時間を割いてくれたことに心からの感謝をした。
意外なご馳走を前にして、凪徒とカミエーリアは甘めのシャンパン、椿とモモはこけもものジュースで、軽やかな音色を奏でる祝杯を挙げた。
「今だけは日本にいるのだと思ってね」
「え?」
ふふふと笑う椿にモモは不思議そうな顔をしてみせた。
ロシア最後の食事となるのだから、てっきりロシア料理が待っているのかと思いきや、食卓に並べられたのは全て日本食であったのだ。
「ロシアでは縁起が悪いと云って、誕生日前には絶対お祝いをしないのよ。でもその頃貴女はもう日本にいることだし……だからこのパーティは日本式で。ひなまつりも兼ねてね」
「ありがとう、お母さん!」
モモと椿・凪徒とカミエーリアの間を埋め尽くす料理は、目にも鮮やかな大皿のちらし寿司に、ハマグリに似た貝のお吸い物、子供の好きそうな唐揚げにミニハンバーグ、クリーミーなポテトサラダも沢山盛り付けられていた。
そして誕生日のメインとも言えるバースディ・ケーキも!
全ては椿が下ごしらえをし、カミエーリアの調理で完成されたと聞き、モモはこの仕込みの為、午前の時間を割いてくれたことに心からの感謝をした。