*触れられた頬* ―冬―
「さすがですね、早野園長。そうであったからこそ、その小さな身体で沢山の子供達を支えてこられたのでしょう。もちろん経営に口を挟むつもりはございません。こちらの方がずぶの素人ですからね。いえ、むしろ、これから増やそうと思っている同施設に、その精神をお教え願いたい。何せ……こんな素敵なお嬢さんを育て上げられたのですから、何も不審に思うことなどありませんよ」
「え?」
自信を持って説き伏せる隼人の熱い視線と、杏奈の眩しそうな視線、そして高岡の温かみのある視線が一気にモモへと集中して、少女は理解出来ない内に頬を赤らめていた。
──あ……あたし!?
「移転と再建の費用、その後の経費もどうぞお任せください」
「ですが……桜、社長様……」
「こちらは協力してくれる施設を募集している身なのです。民営施設の殆どは経営が困窮していて、職員も足りない状態です。それでは子供達にも愛情が行き渡らず、いつか共倒れとなるでしょう。其処に一石を投じ、安定安泰の道筋を作る……理想論かもしれませんが、不可能とも限りません。今はまだ、こちらは模索中の小さな灯火、貴女と同じレベルには立てていないでしょう。それでも……目指す場所は違わないと思いますが?」
「え?」
自信を持って説き伏せる隼人の熱い視線と、杏奈の眩しそうな視線、そして高岡の温かみのある視線が一気にモモへと集中して、少女は理解出来ない内に頬を赤らめていた。
──あ……あたし!?
「移転と再建の費用、その後の経費もどうぞお任せください」
「ですが……桜、社長様……」
「こちらは協力してくれる施設を募集している身なのです。民営施設の殆どは経営が困窮していて、職員も足りない状態です。それでは子供達にも愛情が行き渡らず、いつか共倒れとなるでしょう。其処に一石を投じ、安定安泰の道筋を作る……理想論かもしれませんが、不可能とも限りません。今はまだ、こちらは模索中の小さな灯火、貴女と同じレベルには立てていないでしょう。それでも……目指す場所は違わないと思いますが?」