*触れられた頬* ―冬―
「……」
隼人の更に重ねられた説得に、園長は胸に込み上げる想いらしき物を詰まらせた。
皺の集まった目尻からスルりと涙が流れ落ちる。
すぐ隣の椅子に掛けていた茉柚子は、そっと母親の両手を包み込んで、上げられた弱々しい視線にニッコリと笑ってみせた。
「母さん。ご好意に甘えましょ。これからのこと、きっと何とかなるわ。ううん……私、ちゃんと頑張ってみせるから!」
「茉柚子……」
「早野園長、桜社長も高岡社長も悪いようには致しません。まずは話だけでも聞いてみてくださいの」
「団長さん……本当に、本当に有難うございます……」
園長は立ち上がり茉柚子と共に、団長と三人へ深く深く頭を下げた。
モモも慌ててそれに続いたが──
「……モモちゃん?」
不思議そうに掛けられた杏奈の声にも即答出来ず、モモは膝に額を触れさせたまま、身動きが取れなくなっていた──。
隼人の更に重ねられた説得に、園長は胸に込み上げる想いらしき物を詰まらせた。
皺の集まった目尻からスルりと涙が流れ落ちる。
すぐ隣の椅子に掛けていた茉柚子は、そっと母親の両手を包み込んで、上げられた弱々しい視線にニッコリと笑ってみせた。
「母さん。ご好意に甘えましょ。これからのこと、きっと何とかなるわ。ううん……私、ちゃんと頑張ってみせるから!」
「茉柚子……」
「早野園長、桜社長も高岡社長も悪いようには致しません。まずは話だけでも聞いてみてくださいの」
「団長さん……本当に、本当に有難うございます……」
園長は立ち上がり茉柚子と共に、団長と三人へ深く深く頭を下げた。
モモも慌ててそれに続いたが──
「……モモちゃん?」
不思議そうに掛けられた杏奈の声にも即答出来ず、モモは膝に額を触れさせたまま、身動きが取れなくなっていた──。