*触れられた頬* ―冬―
[12]ココロと叫び
──あたしが先輩を好きなのは、見た目だけなの……?
モモは洸騎に言われた言葉を反芻しながら、自分の見出せない心の真実を探していた。
──顔も良い、身長もあって筋肉もある、杏奈さんの話では頭も良くて、もちろん運動神経も飛び抜けて良い。声も透き通って好きだ……ツンデレのツンしかないことを除けば、何の文句もつけようがない……。
──だから? だからあたしは先輩を好きなの? ……そんなの先輩の中身を知らないファンの一人に過ぎないじゃない……。
モモは溜息をつきながら外へ出た。先刻の紅茶が効いたのか、トイレを目指して凍える冬空の下を歩く。
着いた先には同じ用で来ていたリンが、流しで手を洗っていた。
「リンちゃん」
「あ、モモたん」
いつもの可愛い声と笑顔。モモはその面と相対して、ふと疑問を投げ掛けた。
「ね、リンちゃん。いきなりだけど……リンちゃんって、秀成君のどんなところを好きになったの?」
「んん?」
さすがのリンも目を丸くした。
モモは洸騎に言われた言葉を反芻しながら、自分の見出せない心の真実を探していた。
──顔も良い、身長もあって筋肉もある、杏奈さんの話では頭も良くて、もちろん運動神経も飛び抜けて良い。声も透き通って好きだ……ツンデレのツンしかないことを除けば、何の文句もつけようがない……。
──だから? だからあたしは先輩を好きなの? ……そんなの先輩の中身を知らないファンの一人に過ぎないじゃない……。
モモは溜息をつきながら外へ出た。先刻の紅茶が効いたのか、トイレを目指して凍える冬空の下を歩く。
着いた先には同じ用で来ていたリンが、流しで手を洗っていた。
「リンちゃん」
「あ、モモたん」
いつもの可愛い声と笑顔。モモはその面と相対して、ふと疑問を投げ掛けた。
「ね、リンちゃん。いきなりだけど……リンちゃんって、秀成君のどんなところを好きになったの?」
「んん?」
さすがのリンも目を丸くした。