*触れられた頬* ―冬―
「どんなトコロって……全部ダヨ!」
「え……? 全部?」
リンの元気な即答に、モモも同じく目を丸くする。
「うん! リンのココロが「ヒデナーの全部、大好き!!」って叫んだの。だから全部~」
「心が……」
「そうダヨー! ドコとかドンナなんて言えないヨ~だってココロが叫んだんだモン!!」
──心が……叫んだ──。
モモは刹那あっけに取られて口を半開きにしたが、やがて閉じ、微笑んだ。
──そうだよね。きっとあたしの心もいつか叫ぶ。「先輩の全部、大好き!!」って!
「ありがとう、リンちゃん」
「へ? 何で「ありがと」?」
今度はリンがあっけに取られたが、モモはその前を横切り、トイレの中へ去ってしまった。
──好きだと思っているのは自分だ。先輩があたしのことをどう思っていても、もう気にするのはよそう。例え隣からいなくなったとしても、この二年半、ずっと好きだったのが『あたし』なんだから──。
そう想えたら途端に心が軽くなった。
どんなに震える冬の空気の中でも、胸の辺りがじんわりと温かく光り、帰る足取りもフワフワと羽の生えた感じがした──。
☆ ☆ ☆
「え……? 全部?」
リンの元気な即答に、モモも同じく目を丸くする。
「うん! リンのココロが「ヒデナーの全部、大好き!!」って叫んだの。だから全部~」
「心が……」
「そうダヨー! ドコとかドンナなんて言えないヨ~だってココロが叫んだんだモン!!」
──心が……叫んだ──。
モモは刹那あっけに取られて口を半開きにしたが、やがて閉じ、微笑んだ。
──そうだよね。きっとあたしの心もいつか叫ぶ。「先輩の全部、大好き!!」って!
「ありがとう、リンちゃん」
「へ? 何で「ありがと」?」
今度はリンがあっけに取られたが、モモはその前を横切り、トイレの中へ去ってしまった。
──好きだと思っているのは自分だ。先輩があたしのことをどう思っていても、もう気にするのはよそう。例え隣からいなくなったとしても、この二年半、ずっと好きだったのが『あたし』なんだから──。
そう想えたら途端に心が軽くなった。
どんなに震える冬の空気の中でも、胸の辺りがじんわりと温かく光り、帰る足取りもフワフワと羽の生えた感じがした──。
☆ ☆ ☆