*触れられた頬* ―冬―
[14]吉報と吉報
「お前がモモと行けばいいだろっ、アン!」
困惑する凪徒がギロッと斜向かいの杏奈を睨みつける。
そんな視線を不敵な笑みであしらった杏奈は、予想通りという表情をして反論を返した。
「幼馴染でまがりなりにも義母になった女性の変化に気付かないなんて、貴方センスないわね~それじゃあモテないわよ? 私の格好を見て分からない?」
「あっ……」
隣のモモがその途端小さく声を上げた。
杏奈にしては緩やかな衣服、低く安定した靴底……。
「モモちゃんは気付いたようね。そ、私、妊娠してるの」
「おめでとうございます!」
両手を口元へ持っていきながら、祝いの言葉を元気良く叫んだモモに、杏奈は満面の笑みで「ありがとう」と呟いた。
「まだ性別は分からないけれど、どちらにしても貴方にだけは似ないことを祈るわ、ナギ」
「どういう意味だよっ」
「──そういう意味よ」
クスッと笑う杏奈に釣られてモモも同じ顔をしたが、凪徒の険しいままの視線に捕えられ、咄嗟に口角をちぢ込ませた。
困惑する凪徒がギロッと斜向かいの杏奈を睨みつける。
そんな視線を不敵な笑みであしらった杏奈は、予想通りという表情をして反論を返した。
「幼馴染でまがりなりにも義母になった女性の変化に気付かないなんて、貴方センスないわね~それじゃあモテないわよ? 私の格好を見て分からない?」
「あっ……」
隣のモモがその途端小さく声を上げた。
杏奈にしては緩やかな衣服、低く安定した靴底……。
「モモちゃんは気付いたようね。そ、私、妊娠してるの」
「おめでとうございます!」
両手を口元へ持っていきながら、祝いの言葉を元気良く叫んだモモに、杏奈は満面の笑みで「ありがとう」と呟いた。
「まだ性別は分からないけれど、どちらにしても貴方にだけは似ないことを祈るわ、ナギ」
「どういう意味だよっ」
「──そういう意味よ」
クスッと笑う杏奈に釣られてモモも同じ顔をしたが、凪徒の険しいままの視線に捕えられ、咄嗟に口角をちぢ込ませた。