*触れられた頬* ―冬―
一方その隣の部屋のモモは──。
「あれって、クレムリン!?」
ゴージャスな部屋から見える外の景色もまた驚くほど華やかだった。
目の前を流れるモスクワ川の先を見れば、ライトアップされた城壁の中に金色の帽子を被ったような寺院群が浮かび上がり、少し右には色彩豊かな丸屋根が可愛らしい聖ワシーリー寺院が聳えている。
「な、なんか、落ち着かない……」
同じく入浴と支度を済ませてベッドに横になったが、未成年の小さな自分には余りにも豪華過ぎる。
この旅のフライトとホテルは杏奈が予約を引き受けてくれた。
実は機内の座席も「ビジネスかファーストで」などと言い出したので、凪徒が「そんな贅沢要らん!」と一喝しエコノミーに押さえられたが、宿の方までは変更されなかったようだ。
寂しくなりそうなくらい広い客室に大きなベッド、正直誰が使うのかと訊きたくなるほど沢山の、テーブルやデスクやソファのセットが自分の周りを囲んでいる。
「あれって、クレムリン!?」
ゴージャスな部屋から見える外の景色もまた驚くほど華やかだった。
目の前を流れるモスクワ川の先を見れば、ライトアップされた城壁の中に金色の帽子を被ったような寺院群が浮かび上がり、少し右には色彩豊かな丸屋根が可愛らしい聖ワシーリー寺院が聳えている。
「な、なんか、落ち着かない……」
同じく入浴と支度を済ませてベッドに横になったが、未成年の小さな自分には余りにも豪華過ぎる。
この旅のフライトとホテルは杏奈が予約を引き受けてくれた。
実は機内の座席も「ビジネスかファーストで」などと言い出したので、凪徒が「そんな贅沢要らん!」と一喝しエコノミーに押さえられたが、宿の方までは変更されなかったようだ。
寂しくなりそうなくらい広い客室に大きなベッド、正直誰が使うのかと訊きたくなるほど沢山の、テーブルやデスクやソファのセットが自分の周りを囲んでいる。