*触れられた頬* ―冬―
[23]カイロと回路
凪徒の向こうに見える歩道を歩く人波が、こちらに目を向けては冷やかしの口笛を鳴らしたり、ギョッとした顔で過ぎていった。
「せ、先輩!? あ、圧死する~~~! 凍死する~~~!!」
モモは雪と凪徒の狭間で身動きが取れなくなりながらも、必死に叫んでみたが、
「圧死はともかく、凍死はねぇだろ~? だって……こんなにあったかい……カイロがある……」
雪に突っ伏しながら答えた凪徒の返事に、一瞬驚き固まった。
──そ、それは、あたしの赤面している『ほっぺ』ですから~!!
確かに凪徒の左掌はモモの右の頬を包んでいて、その頬は熟れたように赤らみ、熱を発していた。
「俺……初めて……酔ったかも……。気持ち、いいもん、だな……」
そうしてやや向こうを向いていた凪徒の顔が、モモの方へ返された。余りに近い距離のニヤけた寝顔に、モモは再び抵抗する力が抜けてしまった。
──あ、あたし……もし……このまま『事故』でキスしちゃっても、先輩だったら嫌じゃないんだろうか……?
ふとそんな疑問がよぎる。
「せ、先輩!? あ、圧死する~~~! 凍死する~~~!!」
モモは雪と凪徒の狭間で身動きが取れなくなりながらも、必死に叫んでみたが、
「圧死はともかく、凍死はねぇだろ~? だって……こんなにあったかい……カイロがある……」
雪に突っ伏しながら答えた凪徒の返事に、一瞬驚き固まった。
──そ、それは、あたしの赤面している『ほっぺ』ですから~!!
確かに凪徒の左掌はモモの右の頬を包んでいて、その頬は熟れたように赤らみ、熱を発していた。
「俺……初めて……酔ったかも……。気持ち、いいもん、だな……」
そうしてやや向こうを向いていた凪徒の顔が、モモの方へ返された。余りに近い距離のニヤけた寝顔に、モモは再び抵抗する力が抜けてしまった。
──あ、あたし……もし……このまま『事故』でキスしちゃっても、先輩だったら嫌じゃないんだろうか……?
ふとそんな疑問がよぎる。