気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
すると話を終えた史哉も辰雄に伴われて外に出てきた。
「少し考える時間をいただけますか」
「もちろんです。いいお返事をお待ちしておりますので」
一礼して振り向いた先に美織を見つけ、穏やかな笑みを浮かべる。
それに反応できず目を逸らしてそそくさと歩きはじめたが――。
「美織」
彼に呼び止められ、ストップモーションをかけられたように足が動かなくなる。
「陽向くんを保育園に迎えに行くなら送っていくよ」
「どうして名前を……」
明かしていないのに、彼の口から息子の名前が出てきたことに驚きを隠せない。
「ほら、乗って」
「でも」